第二章

 

 

あと少しで研究所。

そんな中、オレは非常に困っていたりする。

理由は、自分のM2をどれにするかってこと。

どうすっかなぁ……。

比較的どれでもいいって言うのが正直な話なんだよね。

草系のスフィアか、水系のテトラ。炎系のカナディ。

確か、スフィアは兎だと思われる生き物で、テトラが狼だったハズ。

……あれ?

カナディってなんだっけ?

犬……?

いや、違うな。

えっと……。

 

「やぁ、サク」

 

研究所のドアの前でツカサと出会った。

どうやらもうM2をもらったらしい。

 

「ツカサ。……お前何にした?」

「俺?教えるわけないじゃん」

 

だろうと思ったケド。

わかっていつつも聞く辺りが、バカって言われる原因なんだろうなぁ。

 

「んじゃ、お先に失礼」

 

そう言ってツカサは去って行った。

オレは意を決して研究所のドアを開けた。

 

「いらっしゃい」

 

中はとても広く、いろんな本が収まった本棚が10個くらいおいてある。

どの本棚も、見た感じ空きがない。

その本棚の奥から、1人の白衣を着た男性が現れた。

 

「よく来たね。サクくん」

「いつぞやはお世話になりました」

実はこの人、オレとツカサのちょっとした命の恩人。

あの、足を滑らせて湖に落ちた事件の時に助けてもらったんだ。

今になっては、そんなに深くはなかったんだけど、あの頃は深かった。

……と思 う。

 

「さて。サクくんはどのM2にする?」

「実は、まだ決まってないんです」

「そうなのかい?……僕としてはカナディはオススメできないな」

「へ?なんで」

 

思わずキョトンとした顔をしてします。

カナディは凶暴なのかな?

 

「カナディはちょっと……、人見知りが激しいんだ」

「それは、えっと……」

「いや、凶暴ではないよ」

 

オレはそね言葉を聞いてホッとする。

同時にわからない疑問もあがる。

じゃあ、一体何が……?っと。

 

「簡単に言うと、触れないんだ。触ろうとすると、逃げる」

「……」

「だから、カナディはオススメできないんだ。今年はこのレッカタウンの子供は

君とツカサくんの2人だから、1匹づつしか用意してないし」

オレは少し考えた後、口を開いた。

「……オレ、カナディにします」

「えっ!?」

 

彼はとても驚いた顔をした。

オレだって驚きだよ。

でも、変えるつもりはない。

 

「……実は、ツカサくんもそう言ったんだ」

「ツカサも?」

「だけど、直接カナディを見て諦めたんだ」

 

あのツカサを諦めさせるとはやるなぁ……。

まぁ、オレに比べたらツカサなんか大したことないケドね。

 

「サクくんも直接見てみるといいよ」

「わかりました」

 

そう言って、カナディが封印されているチェーンをとり、発動させる。

現れたのは、真っ黒な黒猫。

目は金色で、尻尾は長い。その尻尾の先には、真っ赤な炎が燃えている。

 

「これがカナディだよ」

「おいで、カナディ」

 

カナディはオレに見向きもしない。

そこで、そっと手を伸ばしてカナディに触ろうとする。

すると、カナディはいち早く気がつき、オレから離れる。

「ね?」

「……」

オレは諦めずに、また近づく。

カナディはまた逃げる。

近づく。

逃げる。

近づく。

逃げる。

近づく。

逃げる。

ちか・・・(以下エンドレス)

 

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 

くっそー。

もうかれこれ10分は走りまわったぞ。

なのに捕まえられない。

普通の奴だったら諦めるだろうが、オレは諦めねぇぞ。

ここまできたら意地だ。

捕まえるまで、追いかけ続けてやる!

 

「もう諦めたらどうです?」

「ヤダ!」

 

オレはカナディ目掛けて走る。

「カナディを絶対触ってやる。んで、一緒に旅に出るん」

そこで一回切る。

カナディの体に手を伸ばす。

 

「だっ!」

 

伸ばした手はカナディの体の下に入り、一気にそれを引き寄せる。

 

「やったー!」

「おぉ」

ついにオレはカナディを捕まえた。

カナディは少し暴れたがオレが撫でてやると大人しくなった。

「よしよし。もう逃がさないぞ」

そう言ってカナディを上に持ち上げる。

怖かったのか、カナディはオレの手をすり抜けて、頭に乗る。

逃げる気配はない。

オレと一緒に来てくれるのだろう。

―パチパチパチ...

部屋に小さな拍手の音がなり響く。

オレは拍手のした方を見る。

 

「お見事だよ、サクくん」

 

オレはカナディを頭から下ろし、抱っこする。

 

「そのカナディを信頼させるなんて、大したものだよ」

「ありがとうございます」

「これはカナディのチェーンだ」

 

オレはそれを受け取り、カナディを戻そうとした。

だが、カナディが戻るのを嫌がっているような気がしたから、オレは戻すのを止めた。

 

「サクくん?」

「オレ、このまま行きます」

「……そうか」

「ハイ。ありがとうございました」

 

オレは外に出ようと、ドアノブに手をかけた。

 

「そうそうサクくん忘れ物」

「ハイ?」

 

後ろを振り返ると、彼は小さな機械を渡してきた。

 

「必要ないと思うが、一応渡しておくよ」

「これは……?」

「M2図鑑だよ」

 

M2図鑑?

……ってあの?!

あの分厚い本じゃなくて?!!

 

「これは僕が開発したやつだよ。

一通り機能をいれたつもりだが、作動しないも のもあるかもしれない未完成品だ。だけど、

あの分厚い図鑑よりはマシだろう? 」

 

確かに……。

あんな重そうなものを持っていきたくないって言う考えはあるな。

 

「気をつけるんだよ」

「ハイ。……いってきます」

「いってらしゃい」

 

彼は手を降って見送ってくれた。

オレはカナディを地面に下ろし、レッカタウンを出るための森へと向かって歩き出した。

さぁ。 冒険の始まりだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

‐あとがき‐

こんにちは、黒蝶です

今回は前回よりも短いです

……ってか、ここのスペース載ってる?

どうなの刹?

刹那)うっわー、M2図鑑とかマジウケるー!!(←話聞イテマセン

 

ハイ、話脱線しました

この物語はやっと始まります

ってか、一章と二章って一緒でもよかったかなぁ・・・。

なんて思いつつも別々に

これでサクをピンチに追い込めることができます。

なにせ、主人公は危険な目にあってこその主人公なのです!(ハ

……と、まぁこれからもよろしくお願いします

見捨てないで下さい